実家を売る前に片付けは必要?|査定・家財処分・引き渡しの正しい順番

実家を売る前に片付けは必要?

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片付け前でも査定は受けられます。順番は査定→売り方→片付け範囲→引き渡しで、仲介は原則空渡し、買取は残置物ごと可の会社もあります。

この記事の要点
– 査定は片付け前でも受けられます。建物と土地の状態を見るためのもので、家財の有無は査定の可否を左右しません
– 仲介で売るなら基本的に「空渡し」、買取なら残置物が残ったままでも引き取る会社があります。売り方が決まる前に全部片付けるのは、順番として早すぎることがあります
– 残置物撤去を自分で業者に頼む場合、戸建て全体でおおむね15万〜30万円程度が目安です(会社・物量により幅があります)
– 相続登記が終わっていなくても、査定や不動産会社への相談は進められます

「実家を売るなら、まず全部片付けないと」——そう思い込んで、重い腰を上げられずにいませんか。片付けと売却の順番を逆にすると、余計な手間とお金がかかることがあります。この記事では、実家を売るときの正しい順番を解説します。

目次

片付けてからでないと査定は受けられない?

結論から言うと、片付ける前でも査定は受けられます。

不動産の査定は、建物の築年数・構造・傷み具合、そして土地の面積・形状・立地といった要素をもとに算出されます(参考: 大和ハウス Livness)。家財が残っているかどうかは、査定の可否そのものには関係ありません。

ただし、訪問査定では部屋の中を実際に見て回るため、荷物が多いと部屋の広さや傷み具合が伝わりにくく、印象にはやや影響することがあるとされています(参考: 一般社団法人相続解決支援機構)。とはいえ、これは「査定額そのものが下がる」という話ではなく、あくまで見え方の話です。大丈夫です。まずは今の状態で相談してみてください。

先に査定を受けたい理由はもう一つあります。仲介か買取かで、片付けの必要度がまったく違うからです。売り方が決まる前に全部片付けると、「実は買取なら不要だった」という遠回りが起きかねません。

仲介と買取で「片付けの必要度」はどう違う?

大きく違います。表で整理します。

仲介で売る 買取で売る
片付けの必要度 原則、家財を撤去して「空」の状態で引き渡す 残置物ごと買い取る会社もある
理由 内覧時の印象・買主の心証に直結するため 業者が再販・解体を前提に扱うため
費用の扱い 片付け費用は売主が別途負担する 処分費用や手間が買取価格に織り込まれることがある
向いているケース 時間をかけて高めの価格を狙いたい 早く・手間なく現金化したい/家財が多い

(出典: SUUMO / 1969actival / HGCエステート / 小田急不動産 / リヴ不動産販売を基に編集部作成)

仲介取引では、残置物の撤去は売買契約の特約に盛り込まれるのが一般的で、放置すると契約違反として扱われることもあります(参考: SUUMO)。一方、買取は業者が再販や解体を前提に扱うため、残置物があっても引き取ってもらえる会社があります。ただしすべての買取業者が対応するわけではなく、範囲は会社ごとに違います。買取価格は仲介で売れる価格の6〜8割程度が目安とされ(参考: HOME4U)、処分費用がどこまで織り込まれているかは査定時に確認しましょう。仲介・買取それぞれの特徴は、空き家売却の4つの方法で詳しく解説しています。

正しい順番は?

「査定→売り方の決定→片付けの範囲決定→片付け→引き渡し」——これが失敗の少ない順番です。

  1. 査定を受ける: 片付け前の状態でよいので、まず価格の目安を把握します
  2. 売り方を決める: 仲介か買取か、価格とスピードのどちらを優先するか決めます
  3. 片付けの範囲を決める: 仲介なら基本は全部、買取なら会社によって「残置物ありでOK」の場合も
  4. 片付ける: 決まった範囲だけ、必要な分だけ進めます
  5. 引き渡す: 付帯設備表などの書面を交わして完了します

逆に「とりあえず全部捨ててから考える」は遠回りになりやすい失敗パターンです。時間と費用をかけて空にしたあとで買取業者に相談し、「残置物ありのままで査定できましたよ」と言われる——珍しくない話です。

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「残置物撤去」を不動産会社に頼むと費用は?

自分で業者に依頼する場合の目安は、1立方メートルあたり3,000〜15,000円程度、戸建て全体でおおむね15万〜30万円程度です(参考: セゾンファンデックス)。物量が多い一軒家では20万〜60万円程度まで幅が出るとの情報もあります(参考: お清め不動産)。

不動産会社(仲介会社)に相談すると、提携の片付け業者を紹介してもらえることがあります。手配の手間は省けますが、自分で業者を探した場合との金額差は会社によってかなり違うのが実情です。紹介を受けた場合も、自分で1〜2社に見積もりを取って比べておくと安心です。

なお、遺品整理・残置物撤去の費用をできるだけ抑える工夫は、実家じまいの費用シミュレーションで詳しく解説しています。業者選びのポイントは実家の片付け業者の選び方も参考にしてください。

遺品整理110番

こんな方に 実家の家財を、家族だけでは片付けきれない方

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引き渡しまでに何を残して何を出す?

引き渡しの前に、「何を残し、何を持ち出すか」を書面で確認しておく必要があります。

売買契約時に交わす付帯設備表は、キッチン・給湯器・浴室・トイレなどの主要設備や、照明器具・エアコン・カーテンレールといったその他設備について、「残すか・撤去するか・故障の有無」を一覧にした書類です。あわせて、雨漏りやシロアリ被害の有無などを告知する物件状況等報告書もセットで作成します(参考: REDS / イエステーション)。

一般的な目安は次のとおりですが、最終的には売買契約の特約で決まるため個別に確認してください。

項目 残すことが多い 出すことが多い
エアコン 買主が希望すれば残置(付帯設備表に明記) 不要と言われれば撤去
照明器具 残すのが一般的 ー
カーテンレール 残すのが一般的 ー
カーテン本体 ー 持ち出すことが多い(買主が不要と言えば残置も)
家具・衣類・日用品 ー 原則すべて撤去(仲介の場合)
仏壇・位牌 ー 閉眼供養のうえ撤去、または移設
車庫・敷地内の車 ー 引き渡し前に売却・廃車・移動。動かない車はレッカー手配が必要(動かない車の処分)

迷うものは付帯設備表に正直に書き、買主の意向を確認するのが一番です。勝手に残していくと、あとからトラブルになることがあります。

相続登記が終わっていなくても進められる?

進められます。査定を受けることや、不動産会社に相談することは、相続登記(名義変更)が終わっていなくても可能です(参考: HOME4U)。

ただし、売買契約を実際に履行し、所有権を買主に移すには、相続登記が済んでいる必要があります。相続登記は2024年4月から義務化されており、不動産の取得を知った日から3年以内に申請しないと過料の対象になる制度です(参考: 行政書士法人Tree)。相続登記の進め方や期限は、相続した家を売る手順で詳しく解説しています。「査定は今すぐ、登記は並行して進める」のが、時間を無駄にしない進め方です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 遺品整理と売却を同じ時期に頼めますか?

頼めます。売却活動には時間がかかるため、遺品整理と並行するほうが効率的だという情報もあります(参考: 一般社団法人相続解決支援機構)。ただし相続放棄を検討中なら、遺品を動かす前に専門家へ確認してください。

Q2. ゴミ屋敷状態でも査定は来てくれますか?

会社によります。訳あり物件や空き家の買取を専門とする業者の中には、ゴミ屋敷状態の物件でも訪問査定に対応する例があります(参考: 訳あり物件買取ナビ by AlbaLink)。一方、一般的な仲介会社では、ある程度片付いた状態を前提に案内されることもあります。まずは状況を正直に伝えたうえで、対応可能かどうかを確認してください。

Q3. 仏壇・位牌が残っている家はどうすればいいですか?

閉眼供養(魂抜き)をしてから撤去・処分するのが一般的な流れです(仏壇じまいの方法で解説しています)。菩提寺への相談や費用の目安を含め、進め方は片付けの範囲を決めるタイミングで、不動産会社と片付け業者の両方に伝えておくとスムーズです。

Q4. 片付け費用は売却代金から払えますか?

仲介手数料など売買契約に伴う「諸費用」は、決済時に売却代金から差し引けます。ただし片付け費用は契約とは別に片付け業者へ直接支払うのが一般的で、タイミングは売却代金の受け取りより先になることが多いです。資金の準備が難しい場合は、片付け前に支払いのタイミングを相談しておくと安心です。買取なら片付け自体が不要になり、この問題が起きないケースもあります。なお、売却益にかかる税金は実家の売却でかかる税金で解説していますが、計算の詳細は税理士・税務署に確認してください。

まとめ|片付けは、売り方が決まってからでいい

実家を売る前の片付けについて、整理します。

  • 査定は片付け前でも受けられます。家財の有無で査定の可否は変わりません
  • 仲介は原則「空渡し」、買取なら残置物ごと引き取る会社もあります。売り方によって片付けの必要度が変わります
  • 正しい順番は査定→売り方の決定→片付けの範囲決定→片付け→引き渡し。先に全部片付けるのは遠回りになることがあります
  • 残置物撤去を自分で業者に頼む場合、戸建て全体でおおむね15万〜30万円程度が目安です
  • 相続登記が済んでいなくても、査定や相談は進められます。ただし売買契約の履行には登記が必要です

「片付けてから」ではなく「査定を受けてから」考える——それだけで、余計な出費と手間を避けられます。買取専門店の無料AI査定なら、住所と面積を入れるだけで、今の状態のままの買取価格の目安が分かります。売る決意の前の、材料集めとして使ってみてください。


本記事の数値・制度は下記出典に基づきます。誤りを見つけた場合はお問い合わせからお知らせください。

参考文献

  • 大和ハウス Livness「不動産売却における、査定依頼のポイント」 https://www.daiwahouse.co.jp/stock/column/sell/vol15/
  • 一般社団法人相続解決支援機構「急に不動産を相続!部屋に大量の残置物・遺品が…」 https://www.souzoku.or.jp/487/
  • SUUMO「【売却前に必読】残置物とは?放置するリスク、賢い処分方法・費用を解説」 https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/20251021/001
  • 1969actival「不動産売買での『現状渡し』は、売主の残置物を残して引き渡すのか?」 https://1969actival.jp/contents/genjowatashizanchibutsu
  • HGCエステート「現状有姿の引渡しでも残置物撤去が原則です!」 https://hgc-estate.net/blog/detail/20220509153103/
  • HOME4U「不動産買取の価格相場は市場価格の6〜8割」 https://www.home4u.jp/sell/juku/course/sell-243-21062
  • 小田急不動産「不動産買取なら残置物を処分せずに売却が可能」 https://www.odakyu-chukai.com/sell/column/article85/
  • リヴ不動産販売「残置物があっても売れる?不動産売却の注意点と費用を徹底解説」 https://www.liv-f.jp/blog/entry-746409/
  • セゾンファンデックス「残置物撤去の費用相場と業者の選び方」 https://www.fundex.co.jp/contents/post/99
  • お清め不動産「残置物撤去の費用相場は?戸建てやマンションの間取り別の目安」 https://goodbyebuy.jp/jiko-bukken/column/leftover-removal-cost-guide/
  • REDS「不動産売買契約で重要な『売買契約書』『重要事項説明書』『付帯設備表』『物件状況報告書』を解説」 https://www.reds.co.jp/p114463/
  • イエステーション「付帯設備表とは?不動産売買に必要な理由や記載する内容」 https://www.ouchi-net.jp/column/basis/ancillary-equipment-table-about
  • HOME4U「相続した不動産を売却する手続き」 https://www.home4u.jp/sell/juku/course/inherit/48-8632
  • 行政書士法人Tree「相続登記の義務化スケジュール」 https://office-tree.jp/blog/inheritance/souzoku-touki-gimuka-schedule/
  • 訳あり物件買取ナビ by AlbaLink「東京都で空き家の売却に強い買取業者」 https://albalink.co.jp/realestate/tokyo-unoccupied-house-garbage/
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この記事を書いた人

たたみさんのアバター たたみさん 実家じまいプロ 編集担当

「実家じまいプロ」の案内人(ペンネーム)。親の家とお墓を片づける手続きを、自治体の公式サイトを1件ずつ確認しながら書いています。窓口の運用は自治体ごとに違うため、申請の前には各自治体への確認をおすすめしています。

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