空き家の買取業者の選び方|仲介との違い・買取価格の決まり方・避けるべき業者

空き家の買取業者の選び方

※本記事にはプロモーションが含まれます

空き家の買取は「仲介との違いを理解→複数社で査定を比較→契約を急がせる業者を避ける」の順で進めると失敗しにくくなります。

この記事の要点
– 買取は不動産会社が直接買主になる方法で、仲介より早く確実に売れますが、価格は仲介で売れる価格の6〜8割程度が目安です
– 買取価格は「再販できそうな価格から、リフォーム費・保有コスト・売れ残りリスク分を差し引いた金額」で決まります
– 業者には大手系列・地場・空き家や訳あり専門など種類があり、物件の状態によって向き不向きがあります
– 契約を急がせる、査定根拠を説明しない、宅建業の免許を確認できない業者は避けるべきサインです

「実家が空き家のままで、遠方だから早く手放したい」「残置物が多くて仲介は気が引ける」——そんなとき候補に挙がるのが業者による買取です。ただ、買取は仲介と仕組みが違うぶん、業者選びを間違えると相場より大きく安く買い叩かれることもあります。この記事では、仲介との違い・買取価格の決まり方・避けるべき業者のサインを順番に解説します。

目次

空き家の買取と仲介は何が違う?

結論から言うと、買取は不動産会社が直接買主になる方法、仲介は個人の買主を不動産会社が探してくれる方法です。買主が違うぶん、価格もスピードも変わってきます。

項目 仲介 買取
買主 個人の購入希望者 不動産会社
価格 市場価格に近い 市場価格(仲介で売れる価格)の6〜8割程度が目安
売却までの期間 買い手しだいで数ヶ月以上かかることも 早い(数日〜1ヶ月程度が目安)
仲介手数料 必要 原則不要
内覧対応 必要 不要な場合が多い
契約不適合責任(引き渡し後の欠陥への責任) 売主が負うことが多い 免責されることが多い

(出典: 東急リバブルを基に編集部作成)

空き家の場合、「遠方で内覧の立ち会いが難しい」「残置物が多く仲介向けの片付けが大変」「相続税の納税期限が迫っている」といった事情があると、買取のスピードと手間の少なさが効いてきます。仲介・買取・空き家バンクなど売却方法全体の比較は、空き家売却の4つの方法でも詳しく解説しています。

買取価格はどう決まる?

結論は、「再販できそうな価格から、リフォーム費・保有コスト・売れ残りリスク分を差し引いた金額」が買取価格です。目安は仲介で売れる価格の6〜8割程度とされています(参考: HOME4U/GRO-BELラボ)。

不動産会社は買い取った家をそのまま持ち続けるわけではなく、リフォームなどを行ったうえで再販売して利益を得ます。そのため、買取価格を決めるときには次のような要素を見込んで差し引きます(参考: MISAWA RELAY)。

差し引かれる要素 内容
リフォーム・修繕費 再販売に向けた内装・設備の改修費用
保有期間中の経費 保有中の維持費・固定資産税・広告費など
再販時の諸費用 再販売にかかる仲介手数料・登記費用など
売れ残りリスク分 想定どおり再販できなかった場合に備える余裕分

つまり、価格差は不動産会社が「売れ残るかもしれないリスク」を引き受ける対価でもあります。安く見えても、仲介手数料が原則不要な点や、契約不適合責任が免責されることが多い点まで含めて比べると、手取り額の差は数字ほど大きくないこともあります。仕組みが分かったら、まず今の状態のままで「買取ならいくらか」の目安を知っておくと、この先の判断がしやすくなります。

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買取業者にはどんな種類がある?

結論は、大手系列の買取窓口・地場の不動産会社・空き家や訳あり物件を専門にする業者の大きく3タイプです。物件の状態によって得意分野が違います。

タイプ 特徴 向いている物件の例
大手系列の買取窓口 全国対応で情報や実績が多い 立地が悪くない一般的な物件
地場の不動産会社 地域の相場・買い手事情に詳しい 田舎・地方の物件
空き家・訳あり専門業者 再建築不可・共有持分・老朽化物件なども対応 通常の買取で断られた物件

築年数が古く、通常の買取査定で難色を示された物件でも、専門業者になら値が付くことがあります。逆に、立地の良い一般的な物件で専門業者だけに絞ると、査定額を比較する機会を自分から狭めてしまうこともあります。タイプの違う会社を1社ずつでも入れて比較するのがおすすめです。

なお、更地にしてから買取に出すかどうかで迷う場合は、解体費用の目安も先に確認しておくと、交渉材料にしやすくなります。

避けるべき業者のサインは?

結論は、「契約を急がせる」「査定根拠を説明しない」「手付金まわりで不自然な要求をする」「宅建業の免許が確認できない」の4つです。ひとつでも当てはまったら、契約前に立ち止まってください。

契約を急がせる

「今日中に契約しないとこの金額は無効です」「他にも買い手がいます」——このように考える時間を与えず即決を迫るのは、悪質な業者によくある手口です。他社に見積もりを取らせたくない、冷静に読まれると不利な条件に気づかれる、といった事情がある場合があります(参考: すみかうる/リビン・テクノロジーズ)。不動産の売買契約は原則としてクーリング・オフの対象外です。一度署名すると撤回は難しいので、即決を求める会社とは距離を置くのが安全です。

査定額の根拠を説明できない

「なぜこの金額になるのですか」と聞いて、近隣の成約事例や再販計画にもとづいた説明ができない業者は要注意です。優良な会社であれば、査定額の理由を具体的に示せます(参考: すみかうる)。「とにかくこれが限界です」としか言わない場合は、相場より不当に安い可能性があります。

手付金まわりで不自然な要求をする

そもそも手付金は、不動産の売買契約で買主から売主へ支払われるお金で、金額は売買代金の5〜10%程度が一般的です。解除したくなった場合は、買主が手付金を放棄する、または売主が手付金の倍額を返す(手付倍返し)ことで契約を解除できる「解約手付」としての性質を持つのが実務上ほとんどです(参考: 楽待新聞)。

買取では業者が買主になるため、この流れも変わりません。それにもかかわらず、測量費・事務手数料・調査費などの名目で売主側に先払いを求める業者には注意してください(参考: リビン・テクノロジーズ)。正当な実費(登記費用など)であれば、内訳と支払先、売買不成立時の返金条件をその場で確認しましょう。

宅建業の免許を確認できない

不動産の売買を事業として行うには、宅地建物取引業の免許が必要です。免許の有無は、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、会社名や免許番号から誰でも無料で確認できます(参考: 国土交通省)。

免許番号は「国土交通大臣(◯)第◯◯◯◯号」または「◯◯県知事(◯)第◯◯◯◯号」のように表示され、括弧内の数字は更新回数+1が目安です(参考: リビン・テクノロジーズ)。数字が大きいほど営業年数の参考にはなりますが、免許換え(都道府県知事免許から国土交通大臣免許への切り替えなど)で変わることもあるため、数字だけで安全性を判断しないでください。

あわせて、過去5年分の行政処分歴は国土交通省のネガティブ情報等検索サイトでも確認できます。免許番号・所在地・処分内容が調べられるので、契約前の一手間として活用してください。

複数社に査定を出すときは、どう見せればいい?

結論は、同じ条件で出す・査定額だけでなく根拠を聞く・仲介に出したときの想定額もあわせて聞くの3点です。

会社によって再販の戦略や得意なエリアが違うため、同じ物件でも査定額に差が出ます。1社だけで決めず、目安として2〜3社に声をかけ、極端に高い・安い提示があれば理由を必ず質問してください。仲介ならいくらで売れそうかを把握しておくと、提示された買取価格が「相場の何割か」を自分で判断でき、安すぎる金額を見抜きやすくなります。

訳あり物件でも買取してもらえる?

結論は、再建築不可・共有持分・事故物件などの「訳あり」でも、専門の買取業者になら可能性はあるということです。ただし通常の物件より価格は下がりやすくなります。

再建築不可物件などの売り先別の価格目安、共有持分・事故物件・境界未確定といった個別のケースについては、空き家売却の4つの方法で詳しく解説しているので、そちらもあわせてご覧ください。なお、実家が借地権付き(土地は地主名義、建物だけが自分名義)の場合は、地主の承諾や交渉が絡み一般の買取業者では断られることもあります。こちらも空き家売却の4つの方法で扱っているので、該当する方はそちらを参考にしてください。

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依頼前チェックリスト

契約前に、次の項目を確認しておくと後悔しにくくなります。

  • 宅建業の免許番号を、国土交通省の検索システムで実在確認したか
  • 過去の行政処分歴を、ネガティブ情報等検索サイトで確認したか
  • 査定額の根拠を、口頭でなく書面や具体的な事例で説明してもらったか
  • 目安として2〜3社に査定を依頼し、金額と説明内容を比較したか
  • 仲介に出した場合の想定価格も、あわせて聞いたか
  • 契約不適合責任の範囲・期間が契約書に明記されているか
  • 手付金の金額・解除条件・違約金が、契約書に妥当な内容で書かれているか
  • 売主側に先払いを求める費用がないか、あるなら内訳と返金条件を確認したか
  • 残置物の扱いと片付け範囲を確認したか(実家を売る前の片付けの順番も参考に)
  • 相続登記が済んでいるか、または進行中か(相続した家を売る手順も参考に)
  • 売却益が出た場合の税金・特例の対象になりそうか、事前に見当をつけたか(実家の売却でかかる税金も参考に)

よくある質問(FAQ)

Q1. 築40年以上の古い空き家でも買取してもらえますか?

可能性はあります。買取業者は建物をリフォームや解体前提で扱うことが多く、築年数の古さだけで断られるとは限りません。空き家・訳あり専門の業者であれば、通常の買取で難しい物件にも対応できることがあります。

Q2. 残置物(家財)が残ったままでも買取してもらえますか?

会社によります。買取は残置物ごと引き受ける会社がある一方、範囲は業者ごとに違います。片付けと売却の順番については、実家を売る前の片付けの順番で詳しく解説しています。

Q3. 買取と仲介、両方に査定を依頼してもいいですか?

問題ありません。むしろ、仲介の想定価格を知っておくと、買取価格が相場の何割かを判断しやすくなります。両方の査定を比較したうえで、スピード重視か価格重視かを決めるのがおすすめです。

Q4. 相続登記が終わっていなくても、買取業者に査定を相談できますか?

相談や査定自体は可能です。ただし売買契約を実際に履行するには、相続登記(名義変更)が済んでいる必要があります。相続した家の売却手順は、相続した家を売る手順で解説しています。

まとめ|買取業者選びは「違いを知って、複数社を比較」が基本

空き家の買取業者選びのポイントを整理します。

  • 買取は不動産会社が直接買主になる方法。仲介より早いが、価格は仲介の6〜8割程度が目安
  • 買取価格は再販価格からリフォーム費・保有コスト・売れ残りリスク分を差し引いた金額で決まる
  • 業者には大手系列・地場・空き家や訳あり専門の3タイプがあり、物件によって向き不向きがある
  • 避けるべきサインは契約を急がせる・査定根拠を出さない・手付金まわりの不自然な要求・宅建業免許が確認できないの4つ
  • 免許は国土交通省の検索システムで、行政処分歴はネガティブ情報等検索サイトで、誰でも無料で確認できる

違いとサインさえ押さえておけば、買取は決して怖い選択肢ではありません。買取専門店の無料AI査定なら、住所と面積を入れるだけで、今の状態のままの買取価格の目安が分かります。売る決意の前の、材料集めとして使ってみてください。


本記事の数値・制度は下記出典に基づきます。誤りを見つけた場合はお問い合わせからお知らせください。

参考文献

  • 東急リバブル「不動産の仲介と買取の違いとは? メリット・デメリットを比較」 https://www.livable.co.jp/l-note/question/s10064/
  • HOME4U「不動産買取相場は仲介の市場価格の7〜8割が目安」 https://www.home4u.jp/sell/juku/course/sell-243-21062
  • GRO-BELラボ「家買取相場は市場価格の6〜8割」 https://gro-bels.co.jp/labo/house-purchase-marketprice/
  • MISAWA RELAY(ミサワホーム)「不動産買取が安い理由とは?仲介との価格差のしくみを解説」 https://www.misawa.co.jp/fudosan/misawarelay/column/homever/fudosan-kaitori-yasui-riyu/
  • すみかうる(マンションナビ)「【注意喚起】不動産買取の悪質業者にご注意を!詐欺的手口とトラブルにならない業者の見極め方」 https://t23m-navi.jp/magazine/mansion-sell/kaitori_trouble/
  • リビン・テクノロジーズ株式会社「悪質な不動産買取業者とは?よくある騙しの手口と行動、対策まで徹底解説」 https://www.lvn.co.jp/estate/170/
  • 楽待新聞「詐欺事件も多数発生、「手付金」を正しく知る」 https://www.rakumachi.jp/news/column/276122
  • 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000037.html
  • 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム(検索画面)」 https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/takkenKensaku.do
  • 国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」 https://www.mlit.go.jp/nega-inf/
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この記事を書いた人

たたみさんのアバター たたみさん 実家じまいプロ 編集担当

「実家じまいプロ」の案内人(ペンネーム)。親の家とお墓を片づける手続きを、自治体の公式サイトを1件ずつ確認しながら書いています。窓口の運用は自治体ごとに違うため、申請の前には各自治体への確認をおすすめしています。

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