相続した車の名義変更|必要書類・費用・15日の期限・売るときの流れ

相続した車の名義変更に必要な書類を確かめる手元のイラスト

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親の車を相続したら、乗る・売る・廃車にするどれを選ぶ場合でも、まず亡くなった方から相続人への名義変更(移転登録)を済ませる必要があります。

  • 車も相続財産のひとつ。遺産分割協議で「誰が車を相続するか」が決まってから、名義変更の手続きに進みます
  • 名義変更(移転登録)の期限は、相続が発生した日から15日以内(道路運送車両法第13条)。申請をしない・虚偽の申請をした場合は50万円以下の罰金の規定もあります(同法第109条)
  • 相続する車の価格が100万円以下なら、査定書などを添えて「遺産分割協議成立申立書」を使うことで、相続人全員の実印・印鑑証明書を集めずに済ませられます
  • 普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会が窓口。軽自動車は遺産分割協議書が原則不要という違いがあります
  • 売る予定なら、名義変更の手続きごと買取業者に任せられることが多いです
目次

親の車は相続財産?名義変更は必要?

結論から言うと、車も相続財産のひとつであり、乗るにも売るにも廃車にするにも、まず名義変更(移転登録)が必要です。「家族で話がついているから」と車検証の名義をそのままにして乗り続ける方も多いのですが、法律上は所有者が変わっている以上、いずれ手続きが避けられない場面が出てきます。

車検証の名義が亡くなった方のままだと、次のような場面で困ります。

  • 売却したくても、所有者本人でないと譲渡できず買主側の名義変更ができない
  • 廃車(抹消登録)の手続きも、名義人本人か正式な相続人でないと進められない
  • 自動車保険の名義・等級の引き継ぎが進まない

実家じまい全体の流れは実家じまい完全ガイド、家(不動産)の相続手続きとの違いは相続した家の売却の記事もあわせてご覧ください。

誰が相続する?遺産分割協議と100万円以下の簡略化

結論: 相続人が複数いる場合は、遺産分割協議で「誰が車を相続するか」を決めてから名義変更に進みます。原則は相続人全員が実印を押した遺産分割協議書が必要ですが、車の価格によっては簡略化できます。

ケース 必要な書類 相続人の押印
通常のケース(価格を問わない) 遺産分割協議書 相続人全員の実印
車の価格が100万円以下の場合 遺産分割協議成立申立書+査定書または査定価格が分かる資料の写し 相続する人1人の実印のみ

国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトが公開している様式には、「申請人である相続人が、相続する自動車の価格が100万円以下であることを確認できる査定証書又は査定価格を確認できる資料の写し等を添付した場合に限り使用可能」と明記されています。相続人全員の実印・印鑑証明書を集めるのが難しい場合は、まず車の査定額を確認してみると、この簡略化が使えるかどうかが分かります。

遺産分割協議が成立するまでは、車は相続人全員の共有財産という扱いになります。実家の片付けの順番を考えるときと同じように、まずは家族で「誰が引き継ぐか」を決めることが最初の一歩です。

必要書類一覧|普通車と軽自動車で何が違う?

結論: 普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会が窓口です。軽自動車は遺産分割協議書が原則不要という、書類面での大きな違いがあります。

普通車(登録車)の場合

書類 内容
自動車検査証(車検証) 原本
相続を証明する書類 戸籍謄本等、または法務局が交付する法定相続情報一覧図
遺産分割協議書(または100万円以下なら遺産分割協議成立申立書) 相続人全員の実印(申立書の場合は相続する人のみ)
印鑑証明書 発行から3か月以内のもの
車庫証明(自動車保管場所証明書) 使用の本拠の位置が変わり、かつ保管場所証明書が必要な地域の場合のみ
委任状 代理人が申請する場合に必要

軽自動車の場合

書類 内容
軽自動車届出済証(車検証にあたるもの) 原本
相続を証明する書類 戸籍謄本等、または法定相続情報一覧図(死亡の事実と相続人であることが確認できるもの)
新しい使用者の住所を証する書類 住民票の写しまたは印鑑証明書(発行から3か月以内)
遺産分割協議書 原則不要
車庫証明 軽自動車検査協会の手続き自体には不要。地域によっては手続き後に警察署への届出が必要な場合あり

軽自動車検査協会は、相続のケースについて「所有者の方がお亡くなりになられた事実と新しい所有者の方が相続人(親族等)であることが確認できる」書類があれば足りるとしており、遺産分割協議書までは求めていません。同じ「車の相続」でも、普通車より軽自動車のほうが書類をそろえやすい、という実務上の違いは知っておくと手続きがスムーズです。

手続きの流れと費用はどれくらい?

結論: 書類さえそろえば、手続き自体にかかる費用は数百円〜数千円程度で収まることが多いです。戸籍謄本や車庫証明の取得には別途、自治体・警察署の手数料がかかります。

流れは次のとおりです。

  1. 戸籍謄本(または法定相続情報一覧図)など相続を証明する書類を集める
  2. 遺産分割協議で誰が車を相続するかを決める(価格100万円以下なら査定書も準備)
  3. 運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)へ申請する(代理人なら委任状も用意)
  4. 新しい名義の車検証(軽自動車届出済証)を受け取る
項目 費用の目安
移転登録の手数料(普通車・印紙代) 窓口申請700円/オンライン(OSS)申請600円
名義変更の手数料(軽自動車) 無料
ナンバープレート代(管轄が変わる場合のみ) 地域により異なるため運輸支局・軽自動車検査協会に確認
車庫証明の手数料(必要な場合) 都道府県ごとに異なるため管轄の警察署に確認
戸籍謄本・印鑑証明書などの発行手数料 各市区町村役場の窓口手数料(発行元で確認)

車以外の遺品を自分で整理する場合の考え方は遺品整理を自分でする記事でも解説していますが、車の名義変更も「まず一覧で確認してから動く」のが遠回りにならない方法です。

名義変更せずに乗る・売るとどうなる?

結論: 名義変更をしないまま放置すると、法律違反になるだけでなく、いざ売る・廃車にすると決めた時に手続きが余計に増えてしまいます。

道路運送車両法第13条は、所有者に変更があった日から15日以内に移転登録の申請をするよう定めており、同法第109条では、申請をしない、または虚偽の申請をした者について50万円以下の罰金という規定も置かれています。

それ以上に実務上困るのは、次のような場面です。

  • 相続人が増える(次の代の相続が発生する)ほど、遺産分割協議書に必要な実印・印鑑証明書を集める人数が増えていく
  • 車を動かさないまま空き家となった実家に置きっぱなしにすると、バッテリー上がりや劣化が進み査定額が下がる
  • 動かない車の判断で止まってしまうケースは実家に放置された動かない車の記事でも扱っています

「今すぐ乗る予定がないから」と後回しにするほど、あとから対応する人の負担が大きくなりやすい手続きです。

売る予定なら、名義変更は業者が代行できることが多い

結論: 車を売却する方針が決まっているなら、名義変更の手続きごと買取業者に任せられるケースが多く、自分で運輸支局へ出向く手間を省けます。

多くの買取業者は、査定・契約と合わせて移転登録の手続き代行に対応しています。相続人が用意するのは戸籍謄本など相続を証明する書類と実印・印鑑証明書が中心で、運輸支局への申請は業者側が進めてくれます。対応範囲は業者によって異なるため、依頼前に「名義変更まで代行してもらえるか」を確認しておくと安心です。

売るか廃車にするか迷っている場合は、実家の車を売る・廃車の判断基準の記事、動かせない・車検切れの車を廃車にする流れは廃車の手順の記事も参考にしてください。まずは複数の買取業者にまとめて査定を申し込み、査定額と対応してもらえる範囲を比べてみるのが、遠回りをしない進め方です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 相続人が複数いて、まだ誰が車を相続するか決まっていません。それでも名義変更はできますか?

できません。遺産分割協議が成立するまでは、車は相続人全員の共有財産という扱いになり、単独では名義変更の申請ができません。まず相続人どうしで「誰が車を相続するか」を話し合い、遺産分割協議(車の価格が100万円以下なら遺産分割協議成立申立書)を成立させてから手続きに進んでください。

Q2. 15日の期限を過ぎてしまいました。どうすればいいですか?

期限を過ぎても、手続き自体は通常どおり行えます。ただし道路運送車両法では、申請をしない、または虚偽の申請をした場合に50万円以下の罰金という規定が置かれています。気づいた時点で早めに書類をそろえて申請してください。

Q3. 車の価格が100万円を超える場合、遺産分割協議成立申立書は使えますか?

使えません。この申立書は、査定書や査定価格が分かる資料で「車の価格が100万円以下」と確認できた場合に限り使用が認められています。100万円を超える場合は、通常どおり相続人全員が実印を押した遺産分割協議書が必要です。

Q4. 軽自動車も普通車と同じように遺産分割協議書が必要ですか?

軽自動車検査協会の手続きでは、遺産分割協議書は原則として求められていません。所有者の死亡の事実と相続人であることが確認できる戸籍謄本等(または法定相続情報一覧図)と、新しい使用者の住所を証する書類があれば手続きができます。普通車より書類が少なく済むケースが多い、と知っておくと準備がしやすくなります。

まとめ|まず車検証の名義を確認し、価格を目安に手続きを選ぶ

  • 車も相続財産のひとつ。遺産分割協議で相続する人を決めてから、15日以内に名義変更(移転登録)の申請をするのが原則です(道路運送車両法第13条)
  • 車の価格が100万円以下なら、遺産分割協議成立申立書を使うことで、相続人全員の実印・印鑑証明書を集めずに済ませられます
  • 普通車と軽自動車では窓口も必要書類も異なり、軽自動車は遺産分割協議書が原則不要で手数料も無料です
  • 名義変更をしないまま放置すると、あとから相続人が増えて手続きが煩雑になったり、車の劣化で査定額が下がったりします
  • 売る方針が決まっているなら、名義変更の手続きごと買取業者に任せられることが多く、自分で運輸支局へ出向く手間を省けます

まずは車検証の名義と、車のおおよその価格を確認することから始めてみてください。複数の買取業者にまとめて査定を申し込めば、価格の目安と手続きを任せられる範囲の両方が分かります。


参考文献

  • e-Gov法令検索「道路運送車両法」第12条・第13条・第109条 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
  • 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「遺産分割協議成立申立書」(様式) https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/assets/pdf/isanbunkatsumoushitate.pdf
  • 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「移転登録の必要書類」 https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/transfer/document/index.html
  • 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「登録・検査手数料一覧表」 https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/assets/pdf/knstrk-tesuryo.pdf
  • 軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」 https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/change_name.html
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この記事を書いた人

たたみさんのアバター たたみさん 実家じまいプロ 編集担当

「実家じまいプロ」の案内人(ペンネーム)。親の家とお墓を片づける手続きを、自治体の公式サイトを1件ずつ確認しながら書いています。窓口の運用は自治体ごとに違うため、申請の前には各自治体への確認をおすすめしています。

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