実家の車は売る?廃車?譲る?|損しない判断基準と相続税・自動車税

実家の車の前で鍵を手に考える人物のイラスト

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実家の車は「動くか」「車検が残っているか」「年式・走行距離」の3点で方向性が決まり、迷ったときは査定額を先に知っておくのが結局いちばんの近道です。

  • 動く車は買取・一括査定・ディーラー下取りが選択肢。動かない・車検切れが長い車は廃車買取が現実的です
  • 車も相続財産のひとつで、相続税の評価額は「売買実例価額」つまり中古車としての市場価格が基準になります(国税庁の財産評価基本通達)
  • 家族の誰かに無償で譲る場合、車の評価額が贈与税の基礎控除110万円を超えると贈与税がかかることがあります
  • 自動車税はその年4月1日時点の所有者に課税されます(2026年4月から「自動車税種別割」は「自動車税」に名称が変わりました)
  • 自動車保険の等級を引き継げるのは、配偶者(別居でも可)と同居の親族に限られます。別居の子どもや友人へは引き継げません
目次

判断は「年式・走行距離・車検の残り・動くか」の4つ

結論から言うと、実家の車をどうするかは「動くかどうか」「車検が残っているか」「年式」「走行距離」の4つを順番に確認すれば、進む方向がおおむね見えてきます。

車の状態 向いている方向性
動く・車検も十分残っている・年式が新しめ 売る(買取・一括査定・ディーラー下取り)
動くが年式が古い・走行距離が多い・車検の残りがわずか 売れる可能性はあるが、査定額次第では廃車買取も選択肢
動かない(故障・事故・長期不動)・車検切れが長期 廃車買取が現実的
家族の誰かがそのまま乗りたい 譲る(名義変更が先、場合により贈与税を確認)

ただし、どの方向に進むにしても車の名義がまだ亡くなった方のままでは、売る・廃車にする・譲るのいずれも先に進められません。相続人の間で引き継ぐ人を決め、名義変更を済ませておく必要があります。流れと必要書類は相続した車の名義変更の記事にまとめています。実家全体の片付け・売却と並行する方は、実家片付け・売却の全体の順番も確認しておくと段取りが見えやすくなります。

売れる車の目安と売り方|買取1社・一括査定・ディーラー下取り

結論: 「10年・10万キロを超えると売れない」というのはかつての目安で、今の絶対的な基準ではありません。国内の車の平均使用年数は年々延びており、走行距離が多くても人気車種や輸出需要のある車は値がつくことがあります。自己判断せず、まずは査定に出してみることをおすすめします。

売り方には主に3つの窓口があり、価格の出方と手間が異なります。

売り方 価格の傾向 メリット 注意点
買取専門店(1社) 市場相場に近づきやすい 現金化が早い(数日〜1週間程度) 1社だけだと相場より低い提示でも気づきにくい
一括査定(複数社) 業者間の競争で相場に近づきやすい 複数社の金額を比較できる 申込後に複数社から連絡が来る。人気車種では価格差が小さいこともある
ディーラー下取り 買取より控えめになりやすい 新車の購入と窓口が一本化できる 「下取り額の上乗せ」が実質的に新車値引きの付け替えになっている場合がある

一括査定は必ず高く売れると約束するものではありません。それでも、1社だけの提示額を鵜呑みにするより、複数社の金額を並べて比較できる点は、判断材料を増やすうえで役立ちます。

廃車が向く車はどんな状態?

結論: 動かない・修理費用が車の価値を上回る・車検切れが長期化している車は、無理に売却先を探すより廃車を前提に考えたほうが早く片づきます。

廃車といっても値段がつかないわけではありません。部品取りや輸出向けの需要があるため、事故車や不動車でも0円以上の買取額がつくことがあります。金額は車種・状態で幅が大きく断定はできませんが、「動かないから値段はつかないはず」と決めつけず一度確認する価値はあります。

永久抹消・一時抹消の違いや解体後の税の還付など、廃車の具体的な手続きと費用は実家の車を廃車にする記事、動かない車の運び出し方は実家の動かない車・車検切れの車の記事をご確認ください。

廃車が向きそうな車は、まず廃車専門の買取業者に引き取り込みで査定を依頼するところから始めてみてください。

家族に譲る場合の手続きと税|贈与税の目安

結論: 遺産分割協議で「誰か一人が車を引き継ぐ」と決める場合は贈与ではなく相続として扱われ、原則として贈与税の心配はいりません。問題になるのは、名義変更後にさらに別の家族へ無償で譲る場合や、親が生きているうちに子へ譲る生前贈与の場合です。

贈与税には年間110万円の基礎控除があり、その年にもらった財産の合計額から110万円を差し引いた残りに課税されます。譲る車の評価額(中古車市場での価格が目安)が110万円以下で、他に大きな贈与を受けていなければ贈与税はかかりません。まだ価値の高い車を無償で譲る場合や、他の贈与と合算して110万円を超えそうな場合は、自己判断せず税理士に確認してください。

相続税の評価と申告|車も財産に数える

結論: 車も相続財産のひとつとして評価額を出し、遺産総額に含めて申告の要否を判断します。評価の基準は、国税庁の財産評価基本通達で「売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」と定められており、要は中古車として今いくらで売れるかが評価額になります。売買実例価額がはっきりしない場合は、同種・同規格の新車の小売価額から使用年数分の償却費を差し引いて評価する、という補助的な方法も定められています。

相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除があり、遺産総額がこの金額以下であれば申告は不要です。家庭用の車1台の評価額は数十万円程度にとどまることが多く、それだけで基礎控除を超えることは通常ありませんが、不動産や預貯金と合算した遺産総額で判断するため、車単体で「申告不要」と決めつけることはできません。判断は遺産全体を洗い出したうえで税理士に確認してください。

自動車税・保険の名義はいつ切り替える?

結論: 自動車税はその年の4月1日時点の所有者に課税されるため、名義変更が4月1日をまたぐかどうかで誰宛てに納税通知が届くかが変わります。なお2026年4月、(軽)自動車税環境性能割の廃止にともない「自動車税種別割」は「自動車税」に名称が変わりましたが、4月1日時点の所有者に課税される仕組み自体は変わっていません。

任意保険は、等級(ノンフリート等級)を引き継げる名義変更の相手が、契約者(記名被保険者)の配偶者(別居していても可)と、契約者または配偶者と同居している親族に限られています。別居の子どもや親、友人などへの名義変更では等級を引き継げず、新規契約扱いで保険料が上がりやすいので注意してください。

項目 判定のタイミング・範囲
自動車税 その年4月1日時点の所有者に課税(2026年4月に「自動車税種別割」→「自動車税」へ名称変更)
自動車保険の等級引き継ぎ 配偶者(別居可)・同居の親族のみ。別居の子ども等は引き継ぎ不可

まず査定額を知ってから決める

結論: 売る・廃車にする・譲るのどれが得かは、想像だけで決めるより、実際の査定額を見てから判断したほうが早く決着します。特に「売れるかどうか微妙」な年式・走行距離の車ほど、査定額を知る前に廃車を決めてしまうと、本当は値段がついたはずの車を安く手放すことになりかねません。

判断に時間をかけすぎる必要はありません。まずは複数の買取業者にまとめて査定を申し込んで、金額を見てから家族で話し合う、という順番で十分です。

よくある質問(FAQ)

Q1. まだ名義変更が済んでいない車を、先に売ったり廃車にしたりできますか?

原則としてできません。車の名義が亡くなった方のままだと、買取業者もディーラーも取引の相手として扱えないためです。相続人の間で引き継ぐ人を決め、名義変更を済ませてから売却・廃車に進みます。手続きは相続した車の名義変更の記事をご覧ください。

Q2. 家族に無償で車を譲ったら、必ず贈与税がかかりますか?

必ずではありません。贈与税には年間110万円の基礎控除があり、譲る車の評価額(中古車市場での価格が目安)が110万円以下で他に大きな贈与を受けていなければかかりません。評価額が高い場合や合算で超えそうな場合は税理士に確認してください。

Q3. 相続税の申告で、車の評価額はどうやって計算すればいいですか?

国税庁の財産評価基本通達では、車のような一般動産の評価額は「売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」とされています。今その車を中古車として売った場合にいくらになるかが評価の目安で、買取店の査定額を参考値として使えます。最終的な妥当性の判断は税理士に相談してください。

Q4. 一括査定に申し込めば、必ず一番高く売れますか?

必ずとは言えません。複数社が競うことで市場相場に近づきやすいのは事実ですが、人気車種や状態の良い車では業者間の価格差がほとんど出ないこともあります。それでも1社だけの提示額と比べられる点は、納得して手放すための材料になります。

車の処分は実家じまい全体の一工程です。片付け全体は実家じまい完全ガイド、家の売却は相続した家の売却の記事、空き家の悩みは空き家になった実家の記事、車以外の遺品整理は遺品整理を自分で進める記事もあわせてどうぞ。

まとめ|まず車の状態を確認し、査定額を知ってから決める

  • 実家の車は「動くか・車検の残り・年式・走行距離」の4点で、売る・廃車・譲るの方向性がおおむね見えてきます
  • 売る場合は買取1社・一括査定・ディーラー下取りで価格の出方が異なり、動かない車でも廃車買取で値がつくことがあります
  • 家族に譲る場合、遺産分割の中での取得なら相続税、名義変更後にさらに譲るなら贈与税(基礎控除110万円)の対象になり得ます
  • 車も相続財産で評価額は売買実例価額(中古車としての市場価格)が基準。自動車税はその年4月1日時点の所有者に課税され、保険の等級は配偶者・同居の親族にしか引き継げません

どの方向に進むにしても、まず名義変更を済ませ、実際の査定額を知ることが遠回りに見えて一番早い決め方です。複数の買取業者にまとめて査定を申し込み、金額を見てから家族で相談してみてください。


参考文献

  • 国税庁 タックスアンサー No.4408「贈与税がかかる場合」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.4152「相続税の計算」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm
  • 国税庁 財産評価基本通達「129(一般動産の評価)」 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/06/01.htm
  • 愛知県「自動車税」(納める人・4月1日の判定・2026年4月の名称変更) https://www.pref.aichi.jp/soshiki/zeimu/0000021910.html
  • 日本損害保険協会 自動車保険Q&A「問24」 https://soudanguide.sonpo.or.jp/car/q024.html
  • イーデザイン損保「自動車保険の等級引き継ぎ」 https://www.e-design.net/ande/guide/column/grade-transfer/
  • 三井ダイレクト損保「等級を引き継げる人・引き継げない人」 https://www.mitsui-direct.co.jp/car/guide/rates/grade_guide/01.html
  • グーネット買取「買取・一括査定・下取りの違い」 https://www.goo-net.com/kaitori/satei/kaitori-satei/satei-knowhow/375/
  • ネクステージ「下取り・買取・一括査定の違い」 https://www.nextage.jp/gensen_guide/102/
  • ハナテン(221616.com)「一括査定の注意点」 https://221616.com/satei/first/assessment/
  • グーネット買取「車が売れなくなる年式・走行距離の目安」 https://www.goo-net.com/kaitori/satei/kaitori-satei/satei-knowhow/1109/
  • ネクステージ「年式・走行距離と査定額の関係」 https://www.nextage.jp/sell_guide/info/194046/
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この記事を書いた人

たたみさんのアバター たたみさん 実家じまいプロ 編集担当

「実家じまいプロ」の案内人(ペンネーム)。親の家とお墓を片づける手続きを、自治体の公式サイトを1件ずつ確認しながら書いています。窓口の運用は自治体ごとに違うため、申請の前には各自治体への確認をおすすめしています。

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