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実家じまいとは、親が住まなくなった実家を片付け、家財・仏壇・お墓などを整理したうえで、家を売却・解体・処分して住まいとしての役割を終わらせることです。
この記事の要点
– 実家じまいは「①話し合い → ②相続・名義の確認 → ③片付け・遺品整理 → ④仏壇・お墓の整理 → ⑤家の売却・解体 → ⑥税金・手続きの締め」の順で進めるのが基本です
– 費用の総額は進め方によって10万円台〜400万円程度まで幅があります。何をどこまで業者に頼むか、家を「そのまま売る」か「解体して売る」かで大きく変わります
– 期間は3ヶ月〜1年が一般的。四十九日や相続税の申告期限など、節目から逆算して計画を立てましょう
– 放置すると固定資産税の増額や特例の期限切れなど、金銭的なデメリットが発生します
親が施設に入った、亡くなった、あるいは高齢の親から「そろそろ家を頼む」と言われた——。実家じまいは、多くの方にとって人生で一度きりの、初めての経験です。この記事では、全体の流れを時系列で整理し、費用の相場とやることリストをまとめました。まずは全体像をつかむところから始めましょう。
実家じまいはなぜ必要になる?
総務省の住宅・土地統計調査(2023年)によると、全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・過去最高を更新しました。実家を相続したものの住む予定がなく、そのまま空き家になるケースは決して珍しくありません。
空き家を放置すると、次のようなリスクがあります。
- 固定資産税の増額: 管理が不十分な空き家が「特定空家」や「管理不全空き家」に認定され、自治体から勧告を受けると、住宅用地の軽減特例が解除され、固定資産税が最大6倍になる可能性があります
- 維持コストの継続: 誰も住まなくても、固定資産税・火災保険・草刈りや換気などの管理の手間はかかり続けます
- 税制特例の期限切れ: 相続した空き家の売却で使える「3,000万円特別控除」には期限があり(後述)、先延ばしにするほど選択肢が減ります
「いつかやろう」と置いておくほど、金銭面でも気持ちの面でも負担が大きくなります。とはいえ、焦りは禁物です。次の章から、実際の進め方を順に見ていきます。
実家じまいはどう進める?【6ステップ】
STEP1:家族で方針を話し合う
最初にやるべきことは、片付けでも業者探しでもなく、家族間の合意づくりです。
- 親が存命の場合は、親の意向(住み替え先、残したい物、家をどうしたいか)を最優先で確認する
- きょうだいがいる場合は、誰が中心になって進めるか、費用は誰が負担するか、家や形見の分け方をどうするかを決めておく
- 「実家を売る・解体する・活用する」のどれを目指すのか、大まかな方向性を共有する
ここでの合意が曖昧なまま進めると、後から「勝手に処分した」というトラブルになりがちです。話し合いの内容は簡単でよいのでメモに残しておくことをおすすめします。
STEP2:相続・名義を確認する
実家を売却したり解体したりできるのは、原則としてその不動産の名義人だけです。親が亡くなった後の実家じまいでは、まず相続の手続きを固めます。
- 遺言書の有無を確認する
- 相続人全員で遺産分割協議を行い、実家を誰が相続するか決める
- 相続登記(名義変更)を行う
- 実家に親名義の車が残っていれば、車も相続財産です。名義変更・売却・廃車のいずれにも相続手続きが先に必要なので、家と並行して進めます(→実家の車は売る?廃車?譲る?)
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産の取得を知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がない場合10万円以下の過料の対象になります。2024年4月より前に相続した不動産も対象で、こちらの期限は2027年3月31日です。名義が祖父母のまま放置されているケースもあるため、登記簿(登記事項証明書)で現在の名義を早めに確認しましょう。
編集部メンバーの体験
いちばんの落とし穴は名義でした。土地の一部が祖父の名義のままで、相続人をたどって判をもらうのに、司法書士に頼んで半年以上かかっています。片付けは気持ちが動いてなかなか進みませんが、書類は淡々と進められます。全部を一度にやろうとせず、まず登記と書類から始めるのがおすすめです。
遺産の総額が相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えると、相続税の申告も必要です。期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。登記や名義変更とあわせて、専門家にまとめて任せる方法もあります。
相続アシスト(税理士法人SWATSほか)
こんな方に 東京・神奈川・大阪・京都・兵庫の相続で、相続税の申告や手続きを自分で進める時間がない方
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料金は68万円(税込)から。対応は東京・神奈川・大阪・京都・兵庫の案件のみ。面談は東京・大阪・神戸の拠点かオンライン(公式サイトの案内・2026年10月30日確認)。
STEP3:家の中を片付ける(遺品整理・家財整理)
方針と名義が固まったら、家の中身の整理に入ります。実家じまいの中で最も時間と労力がかかる工程です。そして、いちばん気持ちが揺れる工程でもあります。
自分たちでやる場合のコツ
- 「貴重品・重要書類」を最初に確保する(権利証、通帳、印鑑、保険証券、年金関係など)
- 「残す・譲る・売る・捨てる」の4分類で機械的に仕分ける
- 写真や手紙など判断に迷う思い出の品は無理に即断せず、一箱にまとめて後回しにする
業者に依頼する場合の費用相場
遺品整理業者に依頼する場合の相場は、間取りによって次の程度が目安です。
| 間取り | 費用相場 |
|---|---|
| 1LDK | 7万〜20万円程度 |
| 2LDK | 12万〜30万円程度 |
| 一軒家(3LDK〜4DK) | 17万〜50万円程度 |
物量や搬出のしやすさで金額は大きく変わるため、必ず複数社から訪問見積もりを取って比較しましょう。
遺品整理110番
こんな方に 実家の家財を、家族だけでは片付けきれない方
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運営はシェアリングテクノロジー株式会社。
STEP4:仏壇・お墓を整理する
実家に仏壇がある場合、家財と同じようにそのまま処分することはできません。一般的には、僧侶に閉眼供養(魂抜き)をしてもらってから処分します。
- 閉眼供養のお布施の相場は3万〜10万円程度
- 仏壇本体の処分を専門業者に依頼する場合は2万〜8万円程度(運搬費込み)が目安
実家のお墓を継ぐ人がいない場合は、墓じまい(墓石を撤去して遺骨を永代供養墓などに移すこと)も併せて検討します。
- 墓じまいの総額は30万〜300万円程度と幅があります(お墓の広さ・立地・改葬先による)
- 内訳の目安は、墓石の解体・撤去が1平方メートルあたり10万円程度から、閉眼供養のお布施が3万〜10万円、寺院の檀家をやめる際の離檀料が3万〜20万円程度
- 遺骨を移すには自治体の改葬許可の手続きが必要です。手続きの流れや手数料の扱いは自治体ごとに異なります(当サイトが茨城県内44市町村を調査したところ、手数料の記載がない自治体が多数でした)
仏壇・お墓は親族の気持ちに関わる部分なので、STEP1の話し合いの段階から議題に入れておくとスムーズです。
墓石ナビ
こんな方に お墓の撤去を頼む石材店が、まだ決まっていない方
できること 条件に合う石材店から墓石撤去の見積もりが届き、比べられます。利用は無料です。
全国対応。見積もりは契約ではありません(公式サイトの案内・2026年10月7日確認)。
STEP5:家を売却・解体・活用する
空になった実家をどうするか、主な選択肢は3つです。
- そのまま売却する(中古住宅・古家付き土地): 解体費がかからず、初期費用を抑えられる
- 解体して更地で売却する: 買い手がつきやすくなる場合があるが、解体費用がかかる
- 賃貸などで活用する: 収益化できる可能性がある一方、リフォーム費用と管理の手間が必要
木造住宅の解体費用は坪3万〜5万円が相場で、30坪の家なら90万〜150万円程度が目安です。ただし、道路の狭さやアスベストの有無などで追加費用が発生することもあります。
どの選択肢が得かは、立地と建物の状態次第です。まずは「今の状態でいくらで売れるのか」を複数の不動産会社に査定してもらい、数字を見てから解体や活用を判断するのが失敗しにくい順番です。
ラクウル(空き家の買取)
こんな方に 解体する前に、古い家のまま売れるかを知りたい方
できること 空き家・中古戸建ての買取を専門にする会社に、無料で査定を頼めます。築年数は問わないと案内されています。買取なので仲介手数料はかかりません。
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STEP6:税金・各種手続きを締める
最後に、お金まわりの手続きを整理します。
- 売却して利益が出た場合は譲渡所得税の申告が必要です
- 相続した空き家の売却では、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「空き家の3,000万円特別控除」が使える場合があります。主な要件は「1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋」「売却代金が1億円以下」「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却」などで、適用期限は2027年(令和9年)12月31日までとされています
- 電気・ガス・水道の解約、郵便物の転送、火災保険の解約・切り替えなども忘れずに行いましょう
税制の特例は要件が細かいため、該当しそうな場合は税務署や税理士に確認することをおすすめします。
実家じまいの費用は総額いくらかかる?
ここまでの費用をまとめると、次のようになります。
| 項目 | 費用相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 遺品整理・片付け(業者依頼) | 7万〜50万円程度 | 間取り・物量による。自分でやれば処分費のみに抑えられる |
| 仏壇の閉眼供養+処分 | 5万〜18万円程度 | お布施3万〜10万円+処分2万〜8万円 |
| 墓じまい | 30万〜300万円程度 | 撤去費・お布施・離檀料・改葬先の費用を含む |
| 家の解体(木造30坪) | 90万〜150万円程度 | 坪3万〜5万円。立地条件で増減 |
| 実家じまい全体の総額 | 10万円台〜400万円程度 | 何を業者に頼むか・家をどう処分するかで変動(下記の3パターン参照) |
総額の目安は、進め方によって10万円台〜400万円程度まで幅があります。代表的な3パターンで見ると、「片付けのみ+買取で売却」なら10万〜60万円程度、「片付け+仲介で売却」なら100万〜200万円程度、「解体して更地で売却」なら150万〜400万円程度が目安とされています。売却できれば、これらの費用を売却代金でまかなえるケースも多くあります。
実家じまいの期間はどのくらいかかる?
実家じまいにかかる期間は、おおむね3ヶ月〜1年が一般的です。片付けを自分たちで行う場合や、相続人が多く話し合いに時間がかかる場合は、1年以上かかることもあります。
相続が絡む場合は、相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)や、相続登記の期限(3年以内)といった節目から逆算してスケジュールを立てると、慌てずに進められます。
実家じまいでやることは?チェックリスト
- [ ] 親・きょうだいと方針を話し合った(売却/解体/活用、費用負担、形見分け)
- [ ] 遺言書の有無を確認した
- [ ] 登記簿で実家の名義を確認した
- [ ] 遺産分割協議を行い、相続登記を申請した(義務化・3年以内)
- [ ] 貴重品・重要書類を確保した
- [ ] 家財の仕分け(残す・譲る・売る・捨てる)を行った
- [ ] 遺品整理業者の見積もりを複数社から取った
- [ ] 仏壇の閉眼供養・処分を手配した
- [ ] 墓じまいの要否を親族と話し合った(必要なら改葬許可の手続き)
- [ ] 不動産会社に査定を依頼した(複数社比較)
- [ ] 実家の車の扱い(売る・廃車・譲る)を決め、名義変更または抹消の手続きをした(→名義変更の手順)
- [ ] 売却・解体・活用の方針を決めた
- [ ] ライフライン(電気・ガス・水道)を解約した
- [ ] 火災保険・郵便転送などの手続きをした
- [ ] 売却後の確定申告・特例適用を確認した
よくある質問(FAQ)
Q1. 実家じまいは親が元気なうちに始めてもいいのですか?
むしろ理想的です。親の意向を直接確認でき、貴重品や思い出の品の判断も親自身ができるため、亡くなった後に始めるより負担もトラブルも大幅に減ります。「生前整理」として、まずは使っていない部屋の片付けから小さく始める家庭が多いです。
Q2. 実家じまいの費用は誰が払うのですか?
法律上の決まりはありません。実家を相続した人が負担するケースが一般的ですが、きょうだいで分担する家庭もあります。後のもめごとを防ぐため、STEP1の話し合いの段階で「誰が・何を・いくら負担するか」を決め、記録に残しておくことが重要です。
Q3. 家財が残ったままでも家は売れますか?
売却方法によっては可能です。買取業者の中には家財残置のまま引き取るところもあります。ただし、仲介で一般の買い手に売る場合は、家財を片付けた方が印象がよく、売りやすくなるのが一般的です。まず査定を受けて、不動産会社に相談しながら決めるとよいでしょう。
Q4. 実家じまいを先延ばしにするとどうなりますか?
空き家のまま放置すると、固定資産税や管理の負担が続くうえ、管理不全と判断され自治体の勧告を受けると固定資産税が最大6倍になる可能性があります。また、空き家の3,000万円特別控除は「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」の売却が要件のため、先延ばしは税負担の面でも不利になりがちです。
まとめ
実家じまいは、①家族の話し合い → ②相続・名義の確認 → ③片付け・遺品整理 → ④仏壇・お墓の整理 → ⑤家の売却・解体 → ⑥税金・手続きの締め、という流れで進めます。
全部を一度にやろうとする必要はありません。最初の一歩は「家族と話すこと」と「実家の名義と価値を確認すること」です。費用の総額は進め方によって10万円台〜400万円程度まで幅がありますが、売却代金でまかなえることも多く、早く動くほど選択肢は広がります。
このサイトでは、遺品整理・墓じまい・売却など各ステップの詳しい記事も用意しています。ご自身の状況に合わせて、必要なところから読み進めてください。
本記事の数値・制度は下記出典に基づきます。誤りを見つけた場合はお問い合わせからお知らせください。
参考文献
- 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)の空き家統計: LIFULL HOME’S Business / オーナーズ・スタイル・ネット
- 実家じまいの期間・全体像: 訳あり物件買取ナビ by AlbaLink / アキサポ
- 実家じまいの費用総額・パターン別費用: GMO不動産査定 / あんしんクリーンサービス
- 遺品整理の間取り別費用相場: ブルークリーン株式会社 / みんなの遺品整理 / こころセイリ
- 木造住宅の解体費用相場: HOME4U土地活用 / LIFULL HOME’S 不動産売却
- 墓じまいの費用相場・内訳: 石長 / 永代供養ネット / 大阪メモリアルパーク
- 仏壇処分・閉眼供養の費用: はせがわ / 行政書士法人Tree
- 相続登記の義務化(2024年4月・3年以内・過料): 行政書士法人Tree / トゥモローズ
- 空き家の3,000万円特別控除の要件・期限: 三菱地所の住まいリレー / 高崎市公式ホームページ
- 特定空家・管理不全空き家と固定資産税: アキサポ / GMO不動産査定


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