墓じまい完全ガイド|流れ・手続き・期間

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墓じまいとは、今のお墓を撤去して区画を管理者へ返し、遺骨を新しい供養先へ移すことで、①親族の合意→②墓地管理者へ相談→③新しい納骨先の決定→④石材店の手配→⑤改葬許可申請→⑥閉眼供養と遺骨の取り出し→⑦墓石撤去・納骨の7ステップで進めます。

全体の流れと期間の目安は次のとおりです。

ステップ やること 期間の目安
1. 親族の合意 兄弟姉妹・親族と話し合う 数週間〜(最も長引きやすい)
2. 墓地管理者へ相談 寺院・霊園に墓じまいの意向を伝える 1〜数週間
3. 新しい納骨先を決める 永代供養墓・樹木葬などを見学し契約 数週間〜数ヶ月
4. 石材店を決める 見積もり(指定石材店の有無を確認) 1〜数週間
5. 改葬許可申請 書類を揃えて役所へ。許可証交付は3日〜1週間ほど 2週間〜1ヶ月
6. 閉眼供養・遺骨取り出し 僧侶の手配は2週間前までに 当日は30分〜1時間
7. 撤去工事・納骨 更地に戻して返還→新しい供養先へ納骨 数日〜数週間

全体では2〜6ヶ月程度が一般的な目安で、親族との調整に時間がかかると年単位になることもあります。この記事では、遠方の実家のお墓に悩む方に向けて、各ステップの具体的な進め方と注意点を順番に解説します。

墓前で手を合わせる高齢の夫婦
目次

墓じまいとは?普通の「お墓の引っ越し」とどう違う?

結論から言うと、墓じまいは法律用語ではなく、「今のお墓を撤去・返還し、遺骨を改葬(=別の場所へ移すこと)する」一連の作業を指す言葉です。遺骨を勝手に動かすことは法律で認められておらず、「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」第5条により、改葬には市町村長の許可が必要と定められています。つまり墓じまいは「工事」と「行政手続き」の2本立てで進む、と押さえてください。

墓じまいを選ぶ人は年々増えています。厚生労働省の衛生行政報告例によると、改葬件数は2023年度に166,886件と過去最多を更新しました。2011年度の76,662件から約2.2倍で、「遠方で管理できない」「継ぐ人がいない」という悩みが、それだけ一般的になっているということです。後ろめたく感じる必要はありません。

墓じまいはどんな流れで進める?7つのステップ

結論: 順番を間違えないことが最大のトラブル予防です。特に「親族の合意」と「墓地管理者への相談」を後回しにすると、感情のもつれや高額請求につながりやすくなります。

ステップ1: 親族の合意を取る

お墓は法律上「祭祀財産」で、承継者(お墓を継いだ人)が処分を決められますが、実際にはお参りする親族全員の気持ちの問題です。事後報告で進めると「勝手に先祖の墓を壊した」と関係がこじれる例が少なくありません。誰の遺骨が入っているか・今後誰が管理できるか・費用を誰が出すかの3点を、書面やメールに残る形で話し合っておきましょう。

編集部メンバーの体験

きょうだいの一人は、最初「お墓がなくなるのは寂しい」と渋りました。最後に決めるのは自分でも、「相談されなかった」という不満は後まで残ります。話がまとまる前でも、方向性だけは早めに伝えておくのがおすすめです。

ステップ2: 墓地管理者(寺院・霊園)へ相談する

寺院墓地の場合、檀家をやめること(離檀)とセットになります。「決めました」ではなく「相談させてください」から入るのが円満のコツです。このとき、後の改葬許可申請で必要になる埋葬(埋蔵)証明書の発行も管理者に依頼します。離檀料の相場やトラブル回避策は離檀料の記事で詳しく解説しています。

ステップ3: 新しい納骨先を決める

改葬許可の申請には、移転先が発行する受入証明書(永代供養許可証など)が必要です。つまり納骨先を決めないと行政手続きが始められません。選択肢は永代供養墓・樹木葬・納骨堂・海洋散骨・手元供養などがあり、費用と特徴は永代供養の費用記事で比較しています。受入証明書の発行には数日〜1週間ほどかかることが多いため、早めに依頼しましょう。

ステップ4: 墓石を撤去する石材店を決める

公営霊園なら石材店は自由に選べるため、2〜3社の相見積もりが基本です。一方、寺院墓地や民営霊園の多くは工事業者が決まっている指定石材店制度を採っており、その場合は指定業者に依頼することになります。まず管理者に「指定はありますか」と確認してください。

ステップ5: 改葬許可申請をする(役所)

今のお墓がある市区町村の役所に、①改葬許可申請書 ②埋葬証明書 ③受入証明書を提出し、改葬許可証の交付を受けます。手数料は無料〜300円程度と少額ですが、様式や必要書類は自治体ごとに異なります。交付までは3日〜1週間ほど見ておくと安心です。書き方の詳細は改葬許可申請書の記事にまとめました。

ステップ6: 閉眼供養をして遺骨を取り出す

墓石の撤去前に、僧侶に読経してもらう閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。お布施の目安は3万〜10万円、当日は掃除→お供え→読経で30分〜1時間程度。僧侶の手配は2週間前までに済ませておきましょう。遺骨の取り出しは石材店が行うことが多く、供養と同日に済ませることもできます。

ステップ7: 墓石を撤去し、新しい供養先へ納骨する

石材店が墓石を解体・撤去し、区画を更地に戻して管理者へ返還します。取り出した遺骨は、改葬許可証を新しい納骨先に提出して納骨し、墓じまいは完了です。許可証は納骨時に必ず必要になるので、紛失しないよう保管してください。

墓石ナビ

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墓じまいにはどれくらいの期間がかかる?

結論: 手続きと工事だけなら1〜2ヶ月、全体では2〜6ヶ月が目安です。ただしこれは親族と寺院の話し合いがスムーズに進んだ場合で、調整が難航すると1ヶ月から数年まで大きく幅が出る、というのが専門メディアに共通する見立てです。

長引きやすいのは次の3つです。

  • 親族の合意: 特に「費用を誰が出すか」で止まりがち。先に総額の見積もりを取ってから話すと進みやすくなります
  • 納骨先選び: 見学や比較に時間がかかります。逆にここを焦って決めると後悔しやすい部分でもあります
  • 寺院との離檀交渉: こじれると数ヶ月単位。最初の伝え方でほぼ決まります

また、時期はお盆・お彼岸・年末年始などお参りが集中する時期や、天候の悪い時期を避けるのが無難とされています。法要(四十九日・一周忌など)や帰省のタイミングに合わせて逆算すると、家族の予定も揃えやすくなります。

墓じまいの費用はいくらかかる?(概要)

結論: 総額の相場は約30万〜150万円で、内訳は「墓石の撤去工事費+閉眼供養のお布施+離檀料(寺院墓地のみ)+行政手続き費+新しい納骨先の費用」です。金額を左右するのは主に区画の広さ(撤去工事費)と納骨先の選び方の2つ。詳しい内訳・ケース別シミュレーション・払えない場合の対処法は、墓じまいの費用相場の記事で出典付きで解説していますので、そちらをご覧ください。

この記事ではひとつだけ。見積もりを取ってから親族会議をするという順番が、費用でもめないいちばんの近道です。

墓じまいで失敗しやすいポイントは?

結論: 失敗談の多くは「手順の前後」か「確認不足」に集約されます。よくあるつまずきを先に知っておきましょう。

つまずき 何が起きるか 予防策
親族への事後報告 「勝手に壊した」と関係悪化 最初に合意。書面に残す
寺院への通告 感情的な対立、高額な離檀料請求 「相談」から入る
納骨先を決める前に工事契約 遺骨の行き場がなくなる 受入先の確定が先
改葬許可を取らずに遺骨を移動 墓埋法違反のおそれ 必ず許可証の交付を受ける
1社だけの見積もりで契約 相場より数十万円高いことも 公営霊園なら相見積もり

なお、遺骨を許可なく捨てたり放置したりすることは刑法の遺骨遺棄罪に問われるおそれがあります。「面倒だから」で近道をせず、必ず正規の手順を踏んでください。分からない点は、今のお墓がある自治体の担当課(生活環境課・市民課など)に電話で確認すれば丁寧に教えてもらえます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 墓じまいは誰がやるべきですか?

法律上、お墓の処分を決められるのは祭祀承継者(お墓を継いだ人)です。ただし実務では、承継者が代表して手続きし、費用や作業は兄弟姉妹で分担する形が多くなっています。承継者が高齢の場合、子世代が実務を代行することも一般的です(申請者の要件は自治体により異なるため、役所に確認してください)。

Q2. 遠方に住んでいても墓じまいできますか?

できます。改葬許可申請は郵送対応する自治体が多く、石材店とのやり取りも電話やメールで進められます。ただし、閉眼供養と遺骨の取り出しには立ち会うのが望ましいため、帰省に合わせて日程を組むのが現実的です。当サイトの調査でも、郵送可否の案内は自治体によって差があるため、事前に電話で確認しましょう。

Q3. 墓じまいした後の遺骨は自宅に置いてもいいですか?

自宅で保管する「手元供養」自体は違法ではありません。ただし自宅の庭に埋めることは墓埋法で禁止されています(埋葬は許可を受けた墓地のみ)。将来自分が管理できなくなったときの行き先まで考えると、永代供養とセットで検討するのが安心です。

Q4. 生前に自分のお墓を墓じまいすることはできますか?

できます。承継者がいない方が、元気なうちに墓じまいと永代供養先の契約を済ませておくケースは増えています。子どもに判断を残さずに済むのが最大の利点です。手順は本記事と同じで、寺院・霊園への相談から始めてください。

まとめ|墓じまいは「合意→相談→書類→工事」の順番がすべて

  • 墓じまいは7ステップ。親族の合意と墓地管理者への相談を最初に、工事は最後に
  • 遺骨の移動には市町村長の改葬許可が法律で義務付けられている(墓埋法第5条)
  • 期間の目安は2〜6ヶ月。長引くのは手続きではなく「人との調整」
  • 改葬件数は2023年度に約16.7万件と過去最多。墓じまいは特別なことではない
  • 費用の詳細は費用相場の記事、書類の書き方は改葬許可申請の記事へ

お墓のことは、放っておいても軽くはなりません。でも、順番どおりに進めれば必ず終わります。まずは資料請求や無料相談で「わが家の場合の段取り」を具体化するところから始めてみてください。


参考文献

  • 法令リード「墓地、埋葬等に関する法律」 https://hourei.net/law/323AC0000000048
  • e-Stat 政府統計の総合窓口「衛生行政報告例(改葬数)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset
  • 墓じまいパートナーズ「改葬件数データ|墓じまいの動向を全国・都道府県別に」 https://hakajimai-partners.jp/research/kaisou-data
  • お墓さがし「墓じまいの手続きと必要書類がこれで分かる!」 https://ohaka-sagashi.net/news/hakajimaitetuduki/
  • お墓さがし「墓じまいのタイミングはいつがいい?」 https://ohaka-sagashi.net/news/hakajimaitiming/
  • 許認可ナビ「改葬許可申請の出し方|費用・期間・必要書類」 https://www.kyoninka-navi.jp/guides/kaisou-tetsuzuki-shinsei
  • 永代供養ナビ(やしろグループ)「改葬許可証に関連する7つの情報とは?」 https://www.yasiro.co.jp/eitaikuyo/media/archives/4051
  • ライフドット「【墓じまいで必須】閉眼供養とは?目的・タイミング・費用を解説」 https://www.lifedot.jp/heigan-kuyou/
  • ライフドット「指定石材店の制度とは?」 https://www.lifedot.jp/ohaka-boseki-sitei-stone-shop/
  • お墓さがし「霊園を見学しただけで石材店が決まる!?指定石材店制度とは」 https://ohaka-sagashi.net/news/shitei-sekizaiten/
  • ライフドット「改葬許可証を入手する流れ」 https://www.lifedot.jp/ohaka-hakajimai-kaisou-permission/
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この記事を書いた人

たたみさんのアバター たたみさん 実家じまいプロ 編集担当

「実家じまいプロ」の案内人(ペンネーム)。親の家とお墓を片づける手続きを、自治体の公式サイトを1件ずつ確認しながら書いています。窓口の運用は自治体ごとに違うため、申請の前には各自治体への確認をおすすめしています。

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